　素晴らしいもので、そして早いもので、第３回目を迎える、内郷げんこつ会が主催する、このシリーズイベント。いわゆる「サイコビリー」というジャンルのバンドばかりを集め、、DJタイムもフンダンに盛り込んでのスペシャルなイベントです。年に一度だから、今回で三回目。サイコビリーという音楽ジャンル（ロックであることに違いは無いですが）について、知識が乏しい私ですが、少しでも、イベントの凄さ、カッコ良さが伝わって欲しいと願ってレポート（まがいなもの）を書かせて頂きます。

トップに登場は「内郷げんこつ会～３人編成」。トップに登場の重圧は、主催ということもあって、とてつもなく大きなものであったと思います。でも、軽く客席に「ドウモ」なんてアイサツしたり、リラックスした感じでのライブを披露。コミカルで、ちょっと苦笑な日本語の歌詞が、面白いバンドです。

　会場のフンイキも硬さが取れて、いい感じになって、二番手に登場の「ディック　ザ　ヘイメン」。G、B、Drによるインストでスタートし、Voの登場でフロアも熱くなる・・・エッヂの立ったクリアーなギターリフがカッコいい。上下ともに黒のジャケットで、大きな赤い襟が映えるVoを中心に４人が一丸となって繰り出すサウンドは渋い渋い。宇都宮を拠点に活動するようですが、オトナ的なフンイキがステキなバンドだと思います。

　三人編成の「AB」が３番目にステージに上がるころには、会場も人いきれで、暑くなっていて、お客さんも、イベントのフンイキに大分慣れてきたみたいで、楽しそうに談笑する姿もほほえましかったりします。ABは、１、２曲とインストでバリバリ盛り上げて行って、フロアは徐々に怒涛のダンス天国に突入。ダンスと呼ぶには激しすぎる「腕を振り回し、体をぶつけ合う、まるでケンカみたい」な、サイコビリィ特有のDance・ダンス・だんす。いや、体力に自信の無い私などは、観てるだけです、はいはい。バンド名の「AB」ですが素直にエイ・ビーと発音してよいのでしょうか？毎回気になって仕方ないです。

　SLAP　CHOPSはGがVoを取る三人編成バンド。比較的ミドルテンポな曲での「聞かせる感じのVo」が素晴らしいです。緩急取り混ぜたテンポで、フロアをグイグイ引っ張って行くあたりは、サスガで、フロアの興奮も凄まじい。個人的には好きなギターのタイプであります（うまく言えないけれど、ブルースっぽさ、パンク以前のカッコいいギタースタイルを持ってるみたいな・・・）そして、特筆すべきは、自家製というハナシの変形ウッドベース。これを見れただけで、このイベントに来た価値はあるというもの。ペイント含め、ていねいな作りで、まさに、愛情がこもった一台であります。ラストはVoが飛び入り参加の４人編成での「名曲：三陸大津波」。鎮魂歌　~　レクイエム　でもあるだろうこの曲で会場の熱気も１００度ぐらいに超加熱。アンコールにも応え、東北有数のサイコビリィーバンドの力量を見せ付けてくれました。スラップチョップスはこの日で地元以外ではラストでのライブで、次の週の自分達の企画で解散とのことです（残念です）。最後に飛び入りした凄い迫力のVoはABのWBで、スラップチョップスの元Voで、前回、前々回に来たVoは二代目Voとのことです。

　さて、CRACKSの出番。メンバー３人がステージに上がると、客席から歓声・喚声があがる。昨年のこのイベントに引き続いて、今回が２度目のいわきでのライブであります。Vo(G)のメイクが凄い（ヤバイ、怖い）・・・とメイクばかりに目が行きますが、Gを持つ腕が太い、と妙に感心・・・・いや、もう、大嵐のようなライブであります。放出されるエネルギーがハンパじゃない。エネルギーを受け取るフロアの興奮、爆発振りもハンパじゃないぞ・・・・・ベース、ドラムがゆっくり、リズムを刻む・・・ハウリングギターがからみつくように暴れる・・フロアもヒートアップ。アンコールが収まらない・・一旦、引き上げたメンバー３人が戻って来る。思わず、拍手・・・。素晴らしい素晴らしい。

　イベントのトリを務めるのは3人編成のスパイダーズ（from大阪）。東京を中心としたバンドシーンからみると、関西のバンドは「意外性」を持っているような気がしてならない私ですが、（私見です、念のため）、このスパイダーズも「その意外性」で大いに楽しませてくれました。　「力でグイグイ押す」感じが、あんまりしなくて、「ちょっといい感じで力抜いてる」というところでしょうか。ファッションも軽い感じで素敵です。フロアの過熱も過熱が過ぎてるよ、という感じで、この日の最後の最後のバンドにこれでもか！これでもか！っぐらいに、盛り上がって、スパイダーズの素晴らしい演奏に応えていました。

　充実感に満ちた疲労感を全身に感じながら会場ＢＯＳＳ　を出るのでした。あした会社休みで良かったヨ。だって、クタクタなんだもん。出演バンドの皆様、遠路はるばる我が「いわき」へ御疲れ様でした。主催初めスタッフの皆様、ご苦労様でした。