AaAa通信
バンドインタビュー

第1回
Smoking Ape
スモーキングエイプ
2012年4月


  2002年に結成され、確かな足跡を残し続けてきたSmokingApe/スモ−キングエイプ。」(*1)
 
  結成当初からの不動の2人、Vo(G)のコジョーさん(古城さん)とBのウメちゃん(梅原さん)を中心に、スリーピーススタイルの本格的なロックバンドとして活動を続けてきました。

 短期間ではありますが、ギタリストを迎えて、ギター2本の4人体制での活動時期もありました。ですが、エイプと言えば、スリーピースという印象が強いです。10年に及ぶ活動で、現在のドラマー”セッキー”(関根さん)は、3代目のドラマーになります。
 

 結成10年の節目の年の彼らに、インタビューを行いました。(*2)

   ●インタビューに応じてくれたのはメンバー3人
  ・古城 広士 Kojo Hiroshi <Voice/Guitar> :Kと表記
  ・梅原 勝也 Umehara Katsuya <Bass>  :Uと表記
  ・関根 康浩 Sekine "sekky" Yasuhiro <Drums> :Sと表記
   ●聞き手:AaAa通信管理人「I・T・O」:AAと表記

 AA : 結成に至るまでの経緯を教えて下さい

 K : Vo/Gt古城とBass 梅原がそれぞれ別のバンドで活動していました。知り合いになった二人はどこか意気投合する部分があり、あるとき新バンド結成の話が持ち上がりました。

 AA : 2人が、初めて出会った場所はどこなんでしょうか?
 
 K :いわき市内の某音楽スタジオです。

 U :バンド仲間のネットワークが欲しくて、張っていたような感じですかね。

 AA : 結成直後の活動は?

 K : 結成直後はコピーを中心にしばらく活動してましたが、その後次第にオリジナル曲へ移行し始めました。

 AA : エーエー通信のライブレポを見ると(Vol.25、2002.10.12)ニルヴァーナと、ブランキージェットシティ。ニルヴァーナは、確か、Smells like teen spiritですか?ブランキーは、渋いところで「ガソリンの揺れ方」(*3)

 K : 3人で出来る曲、ということでスリーピースのバンドの曲のコピーが多かったですね。

 AA  :結成当時のメンバー3人の音楽的な嗜好と志向性についてお聞かせ下さい。
 K : 俺は、Funk、オルタナ、歌モノですかね。

 U : 俺は、 メロコア。

 K : 初代のドラマーの林君は、ハードロックが好きでしたね。

 AA : ああ、それは、なんとなく納得できますね。具体的なバンド名とか挙げてもらますか?
 
 K :確かに、3人の嗜好はバラバラでしたね。具体的なバンド名で言うと、ニルヴァーナ、オリジナルラブ、COCCO、ジャミロクワイ、レニークラウビッツ、などですかね。

 U :ハイスタンダード、ハスキングビーあたりの、日本のメロコアですね。
 
 K :ドラマーの林君は、モトリクルーとかが好きだったようですね。SmokingApeのサウンドはそれぞれを取り入れた形で進んでいった。というところですね。

 AA ::スモーキングエイプのサウンドを説明してください。自己分析という感じでお願いします。また、サウンドは、この10年間、どのように変遷していますか?

 K :Rock / オルタナ / Funk 的な要素は初期からあまり変わっていないと思います。それに次第にエモーショナルな要素が加わって行っているように思います。

 AA :10年前から今まで、ずっと、いい意味で、サウンドの輪郭がスッキリしないというか、単純な色分け、ジャンル分けが難しいバンドだと思ってきましたが、結成当時の3人の音楽性嗜好、志向性を伺って、非常に納得しました。何々っぽいサウンドのバンドで終わってしまうか、そのバンド独自のカラーを出せるか?ここが難しい所ですが・・・・・。 質感として、○○○に近いですね・・とか言われた事はありますか?

 K :そのような事を言われたことはあまり無いですね。俺らに近いバンド、というのがあまり居ないように感じています。むしろ俺らって何系なのか教えて欲しいようなところがありますね。(*4)

 AA :ドラマーの関根さんは、スモーキングエイプの 3代目のドラマーになる訳ですが、エイプに参加する時は、どのようなイメージを持って、参加されたのでしょうか?
 
 S :リズムがファンクっぽい。歌モノっぽいバンドという理解ですね。

 AA:今のロックミュージックの中でのエイプサウンドの位置付けについて、どのようにお考えでしょうか?日本そして世界のロックシーンの中で・・・・。

 K :日本、世界のシーンの中での位置づけとかはよく分かりませんね、正直なところ。まずは、俺ら独自の世界観を崩さずに活動して行きたいです。

 AA :スモーキングエイプは、純然たるロックバンドでありますが、アコーステックバンドとしても高い評価を得ていると思います。アコースティックバンドとしての活動はいつぐらいからスタートしているのでしょうか?

  :初代ドラマーの林君が居る時期から、やっていますから、2006年くらいですかね。(*5)

 AA :ロックバンドとアコースティックバンドとして、やる時の気持ちに違いは有りますか?

 K :基本は変わりませんが、アコースティックの方が歌のメッセージが出ると思います。

 AA :支持するファン層は重なってるんでしょうか?

 U :あまり重ならないかもしれません。

  :アコースティックライブで、俺らを知って、ソニックでのロックなライブを見に来てくれて・・・・、でも、違和感?を感じる方が少なからずいるような・・・・そんな感じです(苦笑)
 
 AA :昨年2011年の12月に、初めてエイプのアコースティックバージョンのライブを拝見したのですが、素晴らしさにビックリしたんですよ。今まで、見る機会が無かった事が残念で残念で(苦笑)。ファン層は重ならないかもしれませんよね、どっちも素晴らしいだけに(苦笑)。 勝手な事を言わせてもらえば、アルバムとかも、まるっきり、別々なモノとして作った方がいいかもしれませんよ。

  :どちらもエイプなんですけどね(苦笑)

 AA :3人編成での活動時期が長いですが、ギタリストが入って、G2本、4人編成の時期がありました。トリオと4人、変わるところと変わらないところは?(*6)

  :変わるのは、サウンドがより複雑になり、自由度が増すこと 古城がGtが歌に集中しやすくなること。変わらないのは、Apeサウンドの世界観と、歌が中心にあること

 AA :自分的には3人でも4人でも、ギター1本でも2本でも、スモーキングエイプというバンドカラーは、殆ど変わってないですねえ。聴く耳がダメダメなのかもしれませんが(苦笑)。

  :基本は歌モノバンドということなんでしょうかねえ(苦笑)。

 AA :フルアルバム1枚を含め、シングル3枚、計6枚の音源をリリースしているようですが、持ち曲は、最低でも30曲くらいかと思います。曲数については、どのように、お考えですか?(*7)

  :10年で、30曲程度は少ないかもしれませんねえ・・・・。恥ずかしいかもしれませんですね。満足なカタチで演奏できる曲となると、もっと少なくなりますし。

 AA :インディーズバンドとしては、30曲は少なくは無いと思いますよ。一番、ライブ本数は多かったのは、何年?どのくらいの頻度?

  :1stフルアルバムを発売した2006年は100本くらいやったと思います。ライブは、どのライブもそれぞれ印象深いですけど、2006年のツアーファイナルが、特に印象深いかな・・・・自主企画 Heart Disease Vo.10あたりも思い出深いなあ。
 
 AA :首都圏で活動することと、地方で活動すること、思うところありますか?(*8)

 :首都圏で活動すると、よくも悪くも必死になりすぎる気がするので、今の俺らには地方での活動が合っています。

 AA :エイプと言えば日本語の歌詞という印象ですし、日本語が、似合うバンドだと思います。どこかしら日本的な情緒というか、ウェットな部分が感じられますし。英語歌詞の持ち曲はあるのでしょうか?

  :英語歌詞は、現在のところ、一曲だけですね。そのうち増えるかもしれません。

 AA :歌詞と楽曲、どちらかが先に出来る、そんな話をよく聴きますが、エイプの場合はどちらですか?

  :楽曲の方が先の事が多いですね。

 AA :現在のメンバーは、いわき市出身者が一人も居ないように聞いてます。それぞれ出身地を教えてください。

  : 熊本県の合志市/コウシシというところです。最近合併して合志市になったんですが、住んでたいた頃は菊池郡合志町でした。(*9)

 U : 福島県の二本松市です。

 S : 栃木県日光市です。
AA:古城さんと関根さんは、仕事の関係で、いわき市へ来て、梅原さんは大学がいわき市内だった、そういうことですよね。

 AA::メンバーそれぞれに伺いたいです 。音楽以外での趣味、自己表現の手段は?

 K :趣味は、サイクリングや家庭菜園での野菜作りですかね。でも最近あまりやれてないですね。自己表現の手段、と言っていいのか分かりませんが、お酒を飲む事ですかね。酔っ払うとより自然体な自分を表現できるので。…あれ、間違ってますかね!?笑

 U :休みの日に当ても無くフラッと車で出かける。きれいな風景、変わった風景を見に行くのが好きです。自己表現手段というと…音楽になってしまいますけど、やっぱりライブしか思いつかないですかね。 

 S :ゲームですねー

 AA :楽器へのこだわり?ここは外せない等がありましたら、お願いします。
 K :昔はGibsonのSGを使っていましたが、最近はずっとBacchusのテレキャスです。シャープでクリア、かつ色気のある音色が気に入っています。それと、色んな音を出したいのでセレクターは4点SWにしていますね。Pick UpはLindy Fralinに交換しました。高音がイタい音は好きじゃないので、あまりトレブリーになりすぎないように気をつけています。
基本的に歌の邪魔をしないように、出るとこは出る、引くとこは引く、というプレイを心がけています。

 U :輪郭のはっきりした音が出せるベースが良いです。現在メインで使用しているベース(GL L-2000)はパワーもあるし多彩な音が出せるので気に入っています。音の歯切れが出しやすいように弦高は高めに調整しています。(*10)

 S :イスとペダルが何気に重要。スネア持ってけない時はイスだけでも持ってきたい。(*11)

 AA :本日は、お忙しいところ、ありがとうございました。
 K・U・S :こちらこそ、ありがとうございました。

 インタビュー当日の夜は、郡山ピークアクションでのライブを予定していたエイプの3人。ていねいに対応して頂きまして感謝です。


 ●編集後記
 今回は割愛しましたが、柏Zaxで精力的に活動していた頃の話、1stフルアルバムリリースの経緯など、興味深い話が聞けました。
 エイプにとって、この十年は、もう十年なのか、まだ十年なのか?不動の2人のメンバーの深い絆を感じました。
 そして、今回のインタビューでは、全く話題にしなったのですが(失礼しました)、コジョーさんのsoloプロジェクト "凛音" の活動も、かなり素晴らしいです。ロックバンド、アコースティックバンド、そして、ソロと、3通りの楽しみがあるとお思います(苦笑)
 スモーキングエイプの今後の活動に大いに期待したいと思います。


(*1):ファンは親しみを込めてエイプと呼ぶことが多いようです











(*2)インタビューメモ
実施日時 2012/4/7(土) 11:00〜12:00
・場所 いわき市平スタジオ昭和ロビー
・インタビューの前に、予め、メールインタビューの形で、インタビュー素案を作成しておき、それをベースにインタビューを実施。


















(*3)AaAa通信として、初めて見たエイプのライブは2002.10.12のいわきソニック(旧)でのモノでした。 この日の演奏は、カバー曲が中心でオリジナルは1曲のみだったようです
 ちなみに、この日のライブの出演バンドは次のとおり。
@パズル・PUZZLE
ASmoking Ape
Bジェームズ・JAMS
Cカンフードラゴン(茨城県/水戸)
Dマーライオン・Marlion(東京)
Eフリー・free
FNamaZ・鯰・ナマズ

(以上、出演順)








インタビュー当日のメンバー
左より、梅原、関根、古城

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(*4):古城さんより、エイプの音楽性について、次のような趣旨の発言があったことも付記しておきます。@70年代以前のいわゆるクラシックロック的な色合いを指摘されたことがある。Aいわきにゆかりのあるバンドとの対比で言えば、マーライオンとの類似を指摘された事がある。





(*5)
:林さんの脱退時期は2007年4月





2008年の大晦日
ソニックいわきにて

左より、関根、古城、梅原

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(*6):
ギタリスト筥崎さんの加入時期は2007年から2008年にかけての1年数ケ月間。下の2枚の写真は筥崎さん加入時の4人編成時のモノ。ドラマーは2代目の片平さん。



2007.9.15
小名浜港
ビルフィッシュトーナメント
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(*7)エイプがリリースした6枚の音源のタイトル、リリース時期、収録曲数は次のとおり。
・Mini Album [ユメノツヅキ]・ 2008.08.08 全6曲
・1st Full Album [Spiral Staircase] 2006.05.12 全10曲
・三部作Single 第一章 [心 -shin-] (Demo) 2006.10.13 全2曲
・三部作Single 第ニ章 [技 -gi-] (Demo)2006.11.30 全2曲
・三部作Single 第三章 [体-tai-](Demo)2006.12.16 全2曲
・1st CD [PHANTOM LEAVES] (Demo): 2003.06.28 5曲収録


(*8):エイプと言えば、千葉県の柏を連想・・・・2006年頃のエイプには、そんなイメージがありますね。


1stフルアルバムリリース時の
ポストカード形式の宣伝チラシ
左側が表面、右側が裏面

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2006.9.3に
開催された三崎公園での
ミュージックカーニバルの出演者
紹介ペーパーのエイプの欄。
ポストカード裏面の
写真のカラー版だろ
う。

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(*9):
インタビュアーは熊本県出身のミュージシャンといえば、レピッシュがをすぐ思い出します。レピッシュファンとして、古城さんに、この話を振ってみると、レピッシュの最盛期は、まだ小さかったから、よく知らないと言いつつも、レピッシュの熊本出身者2人の名はスラスラ出てくるのでした(苦笑)。Vo.のマグミさんとGの恭一さんですね(苦笑)。

(*10):エイプのブログを拝見。そこで、梅原さんが、夕刊紙いわき民報にて、コラムを書いているとの情報を見つけました。ブログの文章が面白いだけに、これは要チェックですね。2012.3.28付、
4.11付、その後も数回あり、との事です。

(*11):
スタジオ昭和さんの駐車場に、3ナンバーのスポーティなクルマで現れたセッキー。クルマ好きのマニアなクルマネタが聞けるかも、と期待したのですが、セッキーは、マニアな方より、このクルマを譲り受けただけであって、あんまり詳しくないのでした。苦笑い〜少し残念。